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当企画『ウル博オリジナル版・ウルトラマンメビウス』は、円谷プロ作品「ウルトラマンメビウス」の番外編として執筆されております。
そして今回のお話は、第31話「仲間達の想い」以降、つまり『ミライ=メビウス』である事を、GUYSの仲間たちが知った後の物語。
と同時に、当作品群で綴る『ウル博版メビウス』の最終回となっております。
読者の皆さまにお願い
お手元にメビウスの主題歌(フルコーラスです)をご用意下さい。
そして本編中に指示が出ましたら、ぜひ主題歌を流しながら読んで下さい。
このドラマのクライマックスは、
♪壮大な『メロディー』と
♪希望の詰まった『歌詞』と
♪岬が用意させて戴いた『ト書き』
♪そして皆さんの『空想力』
これらがひとつになることで、テレビ作品に負けない『感動』を生み出してくれるはずです!
●勇壮なファンファーレと共にメイン・タイトル
●闇に音
救急車のサイレンに引きずられて画面がF・I(フェード・イン)すると……
●山間部を走る一車線の道路(深夜)
回転灯の赤い光が山間部に埋もれる様に走り去っていく……F・O(フェード・アウト)。
●田舎の山村の風景(早朝)
F・I……
朝霧に霞む山村の全景……
にわとりの朝を呼ぶ声……
コンクリートで整備された川が流れ、その縁に沿って一車線の細い道が村の奥へ続いている。
田圃があり……
段々畑もあり……
家々の換気扇からは朝霧よりも濃い水蒸気や白煙……
シュウの母の声(オフ)「シュウ!!シュウ!!起きぃって!いーかげんあんたはもう!シュウっ!!」
●ある家の中・シュウの部屋
掛け布団と共にむっくりと起きる少年シュウ(小学五年生)。
目は閉じたまま。しっかり目覚めてはいなさそう……
●洗面所
虚ろな寝ぼけまなこなまま、歯を磨いているシュウ。
井戸水を汲み上げるレバーを下げてコップに水。
「グワラガラゴラ」とうがい……
●居間
食卓に並んでいる見事なまでの日本の朝食。
テレビには朝のニュース番組。
見ている父(30代後半。精悍な顔に逞しい体)。
シュウ 「おはよー(来て自分の位置に座る)」
シュウの父「おぅ、夜中に大変やったの」
シュウ 「(ボケ〜っと)え?あぁ」
シュウの父「(母に)結局、なんやったん?」
父の問いかけにいきなり真顔のシュウ。母を目で追う。
来て味噌汁やごはんを注ぐ母(30代前半。都会生活を経てきたと感じさせるチョイ派手な痩せめ美人)。
シュウの母「盲腸じゃと」
シュウの父「ほぅ?!(苦笑)なんや(気にする必要なしとばかりにテレビに目)」
シュウ 「盲腸……」
シュウの父「よかったのぅ。ほなら一週間もせんで帰ってきよるわ(母に)のぅ?」
シュウの母「じゃね、ハイお父さん」
シュウの父「お!(テレビから目を離し茶碗を受け取り)今朝もご馳走じゃ!一日頑張れそうじゃあ!いただきまっす!!」
シュウの母「はぃ、いただいて下さい……(二度見でシュウの様子がおかしいと気付く)」
朝食をじっと見ているシュウ。
香ばしい焼き加減の鯵の干物。
シュウの母「?」
見ているシュウ。
青海苔がたっぷり乗っていて、今にも「さぁかき混ぜて下さい」と言わんばかりのつやつや納豆。
もちろん隣に醤油の小瓶。
シュウ、じっと見ている。
シュウの母「(父の方を見る)」
シュウの父「(黙々と食べるが妻の視線に気付いて)?」
シュウの母「(シュウをチラと見る)」
シュウの父「(シュウを見る)」
動かないシュウ。
熱くて柔らかくて出汁が効いててまろやかにしょっぱそうな玉子焼き。
そしてみずみずしい白菜の漬物と、噛むほどにクセになるきゅうりのヌカ漬け。
シュウ、ため息。窓を見る。
窓外に遥かなる山の連なり……大自然。
うつむいてまたため息。
シュウの父「おい。どした?」
シュウの母「シュウ?」
シュウ 「……」
シュウの母「なんよ?」
シュウ 「……あのさ」
シュウの母「はい?」
シュウ 「……」
なんだろ?と目を合わす父と母。
シュウ 「あのぉ……(改めて食卓に目)」
ホッカホカでピッカピカのてんこ盛りごはん。
あつあつのお味噌汁の具は大根に豆腐に油揚げ……
シュウの父「どした?言いたい事は言わんと。病気になるど(漬物を口に運ぶ)」
シュウの母「じゃ(そうよの意)」
シュウ 「……」
シュウの父「(パリポリ)」
シュウの母「……」
シュウ 「……朝マっ!ク……食べて、みたいなぁ〜……なんて」
母、目をパチクリ……
父、機能停止状態……から抜け出し、ぬか漬けを噛む。パリポリと妙に響いて……妻に背を叩かれる!
●サブ・タイトル
ヒビノ ミライ
アイハラ リュウ
イカルガ ジョージ
カザマ マリナ
アマガイ コノミ
クゼ テッペイ
ミサキ女史
サコミズ シンゴ
シュウ
シュウの父
シュウの母
村松ミキ
村松ちゃん
ジョーイチ
ジョーイチの父
いちご
駐在さん
カッペイ
カッペイの母
マリ
マリの父
トリヤマ村長
マル村長秘書
政治家
首相
国会議員たち
山村の人々
マっクスタッフ(二人組)
シオリ先生
脚本/岬浩一
ユートムMKU
アイアンロックス
(ジャイアント・マウンテン・バージョン)
登場
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ C M ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●シュウの家・田舎ならではの広い玄関
シュウ 「行って来まぁぁす」
引き戸を開け放したまま、どことなく寂しげに出て行くシュウ。
見送る母。そして父。
シュウの父「(爪楊枝を使いながら)朝マっクって」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇インサート・カット◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
半開きの紙の包みから顔を覗かせている、良質ビーフに新鮮野菜タップリな品質管理万全が魅力の
ハンバーガー!!
ハフハフして食べたい、スリムで塩の効いた揚げたてカリカリな
フライドポテト!!
吸っても吸ってもストローを通ってきてくれなさそうな、キンキン冷え冷え
バニラシェイク!!
トレーに乗った朝マっクセットを勧めてくれるのは、ミニスカートをギリギリまで巻き上げた超カワな
マっクスタッフ♪
※マっク・スタッフにはカメオ出演として『田中れいな&道重さゆみ(モーニング娘。)』を俄然推したい!!が!!ガマンしておく。
買いたくても『絶対買う事は許されない』という深い意味からの
ギザカワユスマイル0円!!
シュウの母(オフ)「マっクの朝メニューで」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇戻って◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
シュウの父「知っとるわそんくらい!!」
シュウの母「……」
シュウの父「そんな……美味いんか?」
シュウの母「(笑ってしまい)別に!そういうんじゃないでしょ」
シュウの父「じゃ、なんでまたあんなこと」
シュウの母「食べてみたいんじゃない?単純にさ」
シュウの父「そんなに美味いんか」
シュウの母「だーかーら!!」
●高圧送電線の鉄塔の上
安全帯で体を支えてぶっとい送電線の工事をしているシュウの父……携帯電話で通話中。
シュウの父「じゃ〜から!街に連れてっちゃりぃって」
遥か下方にアリンコの様に見える仕事仲間「どうじゃああ?!あ?!おおーい!仕事おおお!仕事せええええ!」
シュウの父「(下に)やかましいわぃっ!!(電話に)え?違うって何が?」
●シュウの家・居間
電話しているシュウの母。
朝は食卓として使っていたテーブルの周りにシュウを含めて子供が6人。中に、東南アジア系に見える男の子と女の子、そしてブラジル系を思わせる色黒な男の子も。
担任の先生と思わしき若い女性も1人。
シュウの母「なんかねぇ……先生も来てるし」
>>>>>>>>>>>>その場ワイプ>>>>>>>>>>>>
父も帰ってきていて神妙な雰囲気。
シュウの父「そんな、先生まで一緒になってそんなこと」
シオリ先生「ハァ(笑顔をひきつせらせつつ)非常識かナァとは思ってるンですヨ、ハイ。でもそのォ、とにかくそのォ」
シュウの母「(シュウに)あんたな、なんでこんな田舎で朝マっクせにゃならんの?」
ジョーイチ(ブラジル系を思わせるイケメン)「(憮然と)ここで食べられなきゃ意味ないんです」
シュウの母「あんね、そこがわからんのよ。なんの意味があるのん」
ミキ(東南アジア系を思わせる女の子)「そう(頷いてシュウに)なんで?なんでこん山ん中、マっクなんか(日本育ちなので言葉は普通)」
シュウ 「うるさいわぃ!!」
首をすくめるミキを隣の兄が抱き寄せ、いらんこと言うなみたいな顔で諭す。
シュウの父「良ぅないぞシュウ。大声で女の子脅かして」
シュウ 「(ブツブツ)お父さんだって、時々キャバクラの名刺とか見つかった時」
シュウの母「お父さんのは脅かしじゃありませんから。嘘を見抜かれたくなくて大声で誤魔化してるだけですから」
シュウの父「……」
シオリ先生「あのォ(苦笑)と、とにかくですネ、子供たちの希望というか、夢をですネ」
シュウの父「役場に掛け合ってみるか」
シュウの母「はい?!」
シュウの父「まずそっからやろ(子供たちに)あかんかったらあきらめぇよ」
子供たち、顔を微妙に輝かす。
その隣でシオリ先生が目にハートを浮かべている。
シュウの母「(シオリに)おわかりでしょうけど、うちの主人ですから」
シオリ先生「え?ハハ!……アハハハ!!」
村長の声 「(玄関の方から)ごめんなさいよ!」
村長秘書の声「(同じく)失礼しまーす」
シュウの母「はい?!」
>>>>>>>>>>>>その場ワイプ>>>>>>>>>>>>
居間のテーブルに二人の大人が増えている。
妙に貧乏臭い一張羅なスーツに身を包んだ二人は、どっからどう見てもトリヤマ補佐官とマル補佐官秘書。
どうやらこのお話ではこの村の村長と村長秘書の様子。
村 長 「(気味の悪い笑顔を振りまきながら)聞いたよ聞いたよぉ〜!この村にマっクを誘致しようって?え?!」
シュウの父「いや、それ誰から」
村 長 「(大げさに高く扇子を開いて)村おこしっ!!」
村長秘書 「はいっ!!」
村長秘書がグーの手を出し、開いたところを村長が扇子で扇ぐ。
桜吹雪が居間に舞う。
わあ!と顔を輝かせて見るミキとシオリ先生たち……
村 長 「マっクが出来れば町の若者が村に来る!過疎化も老人福祉も税金もみんな一気にかいけつ」
シュウの母「(しっかり聞こえる様に陰口)バっカじゃないの(立ち上がる)」
瞬時に卑屈な態度に変わる村長。
シュウの母「マっクなんて街にいくらでもあるの!こんな村にできたからってだーれも来ません!(と、掃除機を持ち出してくる)」
●同・玄関
バタバタと居間から避難してくるシュウの父とシュウ。マル村長秘書。シオリ先生。先生の後ろにミキ。そして子供たち。
ジェットエンジンの様な掃除機の轟音と、シュウの母が村長をなじる声が聞こえてくる。
シュウの母(オフ)「だいたいマっクがひとつ店開けたからって、人が引っ越してきたり村の財政が潤ったりするわけないじゃないの!そんなんだったら日本がこんな赤字抱えて政治も教育も腐ったりしないわよ!だいたい村長とか言っちゃっていつも何してんのかと思ったら、あなたこないだうちのひとたち連れてキャバクラ行ったんですってね!!えっ?!村のお金使い込んだってウワサよちょっと!本当なの!ねえ!なんとか言いなさいよ何とか!!えーっ!!」
聞こえないふりの父たちの会話。
村長秘書 「こりゃダメですかねぇ」
シュウの父「ダメでしょうねぇ」
シオリ先生「えー!」
子供たち 「えー!!」
シュウの父「ダメならあきらめる言ぅたろぅが!」
子供たち 「えー!」
シオリ先生「えー!!」
シュウの父「だから先生まで一緒にならんで下さいよ!」
シオリ先生「だってェェェ(半べそ)」
村長秘書 「じゃあですね」
子供たち(含・シオリ)「(すがりついて)なになになになになにナニなになにナニなになになになになにナニなになになにっ?!」
村長秘書 「ちょっとおじさんに聞いてみますか(にやりと笑って携帯電話を取り出す)」
シュウの父「おじさんって……え?」
●ドーン!と東京タワー
●ドーン!と霞ヶ関の官庁街
●ドーン!とどこかで見たようなビル
門構えに大理石調の大きなプレート(表札)。『住民党本部』とある。
黒塗りの高級車が門を通って中へ……
●同・正面玄関前
車から降りる、とても村長たちとは比べられないくらい高級な輝きを放つスーツに身を包んだ紳士(でもどこかでなんか悪い事してそうな雰囲気もあり)。
携帯電話に渋る。
政治家 「そりゃお前、遠縁とはいえ親戚だ。何とかしてやりたいけどな。村にマっクってお前……え?……待て待て待て、それを持ち出すなよ!(急に車に飛び込み、運転手を追い出してからヒソヒソと)卑怯だぞお前!え?!……そんな事お前!!……私にだってできる事とできない事が……だからって何も!……待て!待てっ!!待てきさまっ!!……(思案)……待ってろ……切るぞいったん」
●総裁執務室
イスに座っている首相(総理大臣)と大きな机を挟んでいる先ほどの政治家。
首 相 「マっク?」
政治家 「はぁ」
首 相 「よくわからんが、イチ企業の出店を我々が促したり後押ししたりはできんだろう」
政治家 「重々承知はしております。おりますがー、あー、そのー」
首 相 「なんだ?」
机の上に身を寄せ合う二人。政治家、首相にヒソヒソと耳打ち。
首 相 「(大きくのけぞって)君っ?!君も……なんてバカな事を!」
政治家 「重々承知はしておりますっ!!おりますがっ!!あーっ!!そのーっ!!」
首 相 「(頭を抱えて)なんて事をしてくれたんだ君は……」
政治家 「(ガバッと腰が折れんばかりに頭を下げて)すみませぬっ!!」
●ドーン!と国会議事堂・全景
●議事堂会議室(国会中継にいつも出てくる、あの)
出入口では若手議員たちがテレビやマスコミ関係者を締め出そうと一大攻防戦の真っ最中!
男女国会議員たちが議長席に大勢詰め掛けている。
隅に頭を下げたまま動かない先ほどの政治家。
議員A 「どうしてマっクなんだ?!」
政治家 「ははっ!子供たちの夢だとかどうとか」
議員B 「子供だぁ?!」
議員C 「なんで野党の私たちまでこんな!」
議員D 「国家転覆の危機に与党も野党も無いでしょう!!」
議員E 「首相!どーすんですっ?!」
首 相 「どーするったって……だいたいそんなもん、どこに作れと言っとるんだっ?!」
議員F 「(政治家に)君!具体的に場所を」
ベラッと開かれた大きな地図を囲む議員たち……
周囲は見事に山ばかり。
全員、「ぅわあああぁぁぁ」とうめき声。顔を覆ったり頭を抱えたり壁を叩いたり。
首 相 「こりゃぁ君ぃ……とてもじゃないが(いきなり目の色を変えて)待て待て待てっ?!(身を乗り出す)」
全 員 「?!」
首 相 「(地図を睨んだまま)待てよぉ……」
政治家 「お願いしますっ!!助けて下さい!!首相!!しゅしょおおおお」
首 相 「邪魔だ!連れてけっ!!」
政治家 「待って!(議員たちに引きずり出されていく)私もここにっ!首相っ!しゅしょおおおおおおっ!!」
ドアが無常に閉じられる。
首 相 「待てよぉぉ……(ポケットから携帯電話を取り出す)」
●廊下
……を歩くミサキ女史の後ろ姿についていくカメラ。
角を曲がって進んで、壁面の継ぎ目に施されているステンレス板の前でスピードダウン。髪形なんかを一瞬で直してから進んで……
ドアが両サイドに開く。
入った部屋は……
●GUYS基地・作戦室
全員が自席でいろんな事をしているが、ミサキ女史に視線を集める。
ミサキ女史「日本政府よりGUYS本部を通じてCREW GUYS JAPANに正式要請です」
サコミズ 「日本政府?」
リュウ 「なんすか?」
一同の顔をじっと見渡すミサキ女史……うしろめたそうな、ソワソワした雰囲気。
ミサキ女史「……(大きく息を吸って)……えー……っと」
●上空(昼間)
ジェットエンジンの轟音……
青々とした山々と、川沿いに点々と見える農家の俯瞰映像……フレーム・インで学校が見えてくる。
リュウ(オフ)「信じらんねぇ」
●小学校・校庭
どこからか、のどかに牛の声。
奥にガンフェニックス(エンジンはとっくに止まっている)。
手前に体育館。忙しく出たり入ったりの父兄たち。
基本的に女の人たちは割烹着姿。
リュウ(オフ)「なんで俺たちが」
●同・体育館内
村のお母さんたち総出で炊き出し。
隊長を含むGUYSメンバー全員とミサキ女史がテーブルにつかされて山のご馳走を戴いている。
リュウ 「村おこしなんか痛てっ!!」
隣のマリナがリュウの腿をつねったところ。
マリナ 「(ヒソヒソ)何か裏があんのよ!じゃなきゃ私たちにマっク建てろなんて来るわけ無いじゃない」
ジョージ 「(ヒソヒソ)裏ってどんなっ?!」
マリナ 「(ヒソヒソ)私に解るワケ無いでしょーっ!!」
テッペイ 「(鍋をつついていて無邪気に感激)あー!豆腐にどじょうが入ってるー!」
コノミ 「(茶碗を大事そうに抱えて)まつたけだっ!!わぁ!い〜香りぃ〜♪」
ミライ 「……(神妙に目の前の料理を見ている)……」
サコミズ 「(面くらいつつ隣のミサキ女史に)あの……政府の真意ってのは」
ミサキ女史「……(上目遣いでサコミズを見る)……」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇インサート・カット◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
電話を受けているミサキ女史。唖然と動かない……
首相の声 「日本の未来を担う子供たちのユメとキボーですな!これを守れるのは!まさしくGUYSですな!あなた方しかおりませんっ!!未来です!大切です!ニッッッッッッポンの未来ですっ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇戻って◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
顔をゆーっくりそらすミサキ女史……
サコミズ 「?!……あの……え?(苦笑)」
ミライ 「……(まだ神妙なまま)……」
ミライの前にメビウスらしき形のパンが焼けている(ところどころ焦げている)。
マリナ 「(ヒソヒソとミライに)ちょっと」
ミライ 「?……はい」
マリナ 「(ヒソヒソ)どーしたのっ?!」
ミライ 「……なんか……あっちこっち焦げてるなぁって」
マリナ 「(怒って)手作りなんだから仕方ないでしょー」
コノミ 「(無邪気に)たくさん戦ってくれた勲章じゃないですか」
ジョージ 「そうだぞ、気にしないで喰えって」
ミライ 「ぁ……はい(手に取る)」
首がボロっと落ちる。
愕然のミライ!!
見てはいけないものを見てしまったかのようなリアクションのマリナとコノミ!
「ぷっ」と吹き出して必死に笑いをこらえるジョージとテッペイ。
リュウ 「なに下らない事でビビッてんだお前は」
皿に落ちたメビウスの首をつまみ上げてポイと口に。
ミライ 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
笑いを爆発させてしまうジョージとテッペイ。
リュウ 「(もぐもぐ)うめぇよ、喰え喰え」
ミライ、屈辱とも悲しみとも取れる微妙な感情に顔をそむける。
シオリ先生「ミサキ先輩?」
ミサキ女史「(声の方をまじまじと見て)……シオリちゃん?」
子供たちを連れてきたシオリ先生の目に涙。
シオリ先生「ああっ?!あああああああ!!せんぱああああああああああああいっ!!」
駆け寄ろうとして足元のバケツを蹴ってしまい、思い切り顔から大の字に転ぶシオリ先生。こぼした水で飛沫を上げてスライディング状態!!
ミサキ女史の背にデカイ漫画汗。
>>>>>>>>>>>>その場ワイプ>>>>>>>>>>>>
まだあれこれともてなしを受けているGUYSメンバーをよそに、ミサキ女史とシオリ先生とサコミズ隊長が体育館の出入口で話している。
サコミズの手にはもちろんコーヒーカップ。ただし有田焼風。
シオリ先生「大学のサークルで一緒だったンでスヨ、私たち。ネー!!」
サコミズ 「(ミサキ女史に)サークルって?」
ミサキ女史「ぁ」
シオリ先生「ご(削除音)Pi───(解除)同好会!」
サコミズ 「ご(削除音)Pi───(解除)同好会っ?!(ミサキを見る)」
おしまいだーという顔で顔をそむけるミサキ女史。
シオリ先生「夜な夜な楽しかったでスぅ〜、ネー先輩!!」
ミサキ女史「……なんで……なんでマっクなの?どうしてこの山の中にマっクなの!誰が言い出したのっ?!(顔を向ける)」
楳図かずおの恐怖漫画のヒロインの様に血眼のミサキ女史。
驚いて思わずカップを傾けてこぼしてしまうサコミズ。
シオリはミサキのそういう一面に慣れているのか、「あららら」とか言いながら平然と甲斐甲斐しくこぼしたコーヒーを雑巾で拭く。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ C M ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●グラウンド
校庭で遊んでいるGUYSメンバーと子供たち。
シオリ先生とミサキ女史は朝礼台に並んで座っている。
横に立っているサコミズ。手には別のコーヒーカップ(今度は信楽焼き風)。
シオリ先生「鉄棒してるのがカッペイ君。三年生」
テッペイが逆上がりを教えているが、なかなかドン臭いカッペイ。
テッペイ、自分でもやってみる……できない!!
意地になるテッペイ……カッペイと競争になる。
どことなく似たもの同士。
シオリ先生「カッペイ君はいちごちゃんが大好きなの。ウフ!カワイイでしょ」
サコミズ 「いちごちゃんって?」
シオリ先生「あそこでうさぎを見てるのがいちごちゃん。同じ三年生で、お母さんは中国人。美人さんでしょ?ちなみにいちごって名前、本名なんでスヨ。ひらがなでいちごって」
コノミと一緒に飼育檻のうさぎたちの世話をしているいちご。
メガネの似合うところがコノミと似ている。
シオリ先生「でもカッペイ君カワイそうなんでスヨ。いちごちゃんは実はジョーイチ君が好きなんでス。あ、彼がジョーイチ君。四年生です」
サッカーゴールの前でジョージからシュートの打ち方を伝授されているジョーイチ。色黒に白い歯のナイスガイ。
シオリ先生「彼はお父さんがブラジル人。今はもう帰化してるカラ、家族みんな国籍は日本」
ミサキ女史「山村なのに、なんで外国の人たちがこんなに……」
シオリ先生「田舎だから多いンじゃないですかネ。日本の若い人たちは野良仕事嫌うカラ」
ミサキ女史「そっかぁ」
サコミズ 「あの……いちごちゃんの気持ちがジョーイチ君にあるって、カッペイ君は」
シオリ先生「知らないンじゃないですかネ?うすうす知ってルかナ〜?どうかな〜?」
ミサキ女史「(違う方を見て)あの子は?」
芝生に座っているミキ。おままごとの真っ最中……
相手はミライ。旦那さんが会社から帰ってきたシチュエーションの様子。
ミライ 「えっと(カバンを持ったまま)ただいま」
ミ キ 「(見上げていて)おかえりなさい」
ミライ 「(どうしていいか解らず)えーと?入ってもいい?」
ミ キ 「(見上げていて)なんで?あなたのお家でしょ」
ミライ 「あ(^^;)はぃ(座る)」
ミ キ 「(見つめて)なんで靴、履いたまま座るん?」
ミライ 「え、あ!(立ち上がり、律儀に靴を脱いで揃えて座りなおす)ただいま!」
ミ キ 「お風呂にします?ごはんにします?」
ミライ 「(カバンを抱えたまま)お風呂」
ミ キ 「(ここだけソフトフィルターかけて上目遣いで含み笑い)」
ミライ 「(カバンを強く抱きしめて)ごはんっ!!ごはんにしよう!!」
ミ キ 「?!(不服そうに)なんで?」
ミライ 「え」
ミ キ 「なんで私がこう(じっと)見たらごはんに変わるん?」
ミライ 「いや!別に!」
ミ キ 「みんなここでごはんに変わるんよ?なんでなん?」
ミライ 「それは、な、なんでだろうね……えと、なんでなのかな?」
二人して考え込んでしまう。
ミサキ女史「…(^^;)…」
サコミズ 「…(^^;)…」
シオリ先生「村松ミキちゃん、四年生。私ら教師たちの間では『なんでちゃん』で通ってます」
ミサキ、プッと吹き出しそうなのをこらえつつサコミズに視線。
サコミズも苦笑しつつ頷く。
シオリ先生「(二人の様子に)なにか?」
ミサキ女史「(笑って)なんでもないから。そっか〜、なんでちゃんか」
シオリ先生「はい。気になる事はすべて、なんで?なんで〜?って。それがまた鋭いって言うかキワドイって言うか」
サコミズ 「(ミライとミキを見ていて)でしょうねぇ」
シオリ先生「で、彼女はシュウ君の事が大大大スキで……」
ミサキ女史「あの子?」
ガンフェニックスを見上げているリュウと、その横にシュウ。
シオリ先生「そう!シュウ君。五年生です。マっクプランを言い出したのは彼。頼り無さそうに見えますけど、けっこう」
サコミズ 「熱血君」
シオリ先生「……そう」
サコミズ 「でしょうねぇ」
シオリ先生「スゴイ!(眼にハートマークを浮かべて寄り添い)隊長さんともなるとそういうのちゃんと解るんですネェ」
サコミズ 「(ちょっと退いて)はぁ、なんて言うか、組み合わせ的に」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇インサート・カット◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ガンフェニックスの中で、独り汗だくで整備しているマリナ。
マリナ 「(軍手の甲で汗を拭いつつ)どーして私だけこんな(-"-;」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇戻って◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
東南アジア系を感じさせる顔立ちの、ひょろりとした男の子が自転車でやってきて降りる。シュウの家でミキを抱き寄せた子である。
子供たちが目ざとく気付いて駆け寄ってくる……
シオリ先生「村松君、お婆ちゃんは?」
村松ちゃん「ええよって」
シオリ先生「ホントっ?!あ、村松君です。六年生。みんなからは“むらまっちゃん”て呼ばれてます。ミキちゃんのお兄さんで、このコたちのまとめ役」
村松ちゃん「はじめまして。サコミズ隊長、よろしくお願いします(丁寧なお辞儀)」
サコミズ 「(お辞儀)こちらこそ、よろしく」
ミ キ 「お兄ちゃん!山は?!」
村松ちゃん「好きにしていいって」
シュウ 「じゃあ」
ジョーイチ「つぶれ屋も?」
村松ちゃん「うん」
子供たちの歓声が上がる。
「?」なサコミズたち。
●山間部・旧駄菓子屋
舗装された道とは別に、細い脇道が延びた先に廃屋になっている元駄菓子屋が。
シオリとミサキ、GUYSメンバーと子供たちが来ている(リュウとマリナだけ不在)。
サコミズ 「これが」
ミサキ女史「つぶれ屋?」
シオリ先生「ハイ。昔は駄菓子屋だったんでス。この山の持ち主が村松君のお婆さンで、このお店もお婆さンが若い頃にやってたそうでス」
ミサキ女史「じゃあ、このお店をマっクに?」
村松ちゃん「旧来の木造家屋だからずいぶん傷んでます。あっちこっち補強しないと。あと、あの道からここまでと、ここから向こうの道まで抜ける間を整地しないと」
サコミズ 「しっかりしてるな」
ジョーイチ「どうせなら看板も付けようぜ!ネオンとかでピカピカさせて」
シュウ 「そこまでしなくても」
ジョーイチ「(イライラと)お前がそんなんでいいのかよ。マっクを建てるんだろーが」
シュウ 「朝マっクさえ食べられればいいんだから」
ミ キ 「なんで?お昼はいいの?」
シュウ 「……」
ミ キ 「夕方は?夜は?土日祝日とか年末年始とか」
シュウ 「いーんだよ!!朝が重要なんだよ!」
ジョーイチを除く全員「……?……」
面白くなさそうに石を蹴るジョーイチ。
リュウ “(無線音声)隊長!ちょっといいすか”
メモリーディスプレイをつかむサコミズ。
子供たちが寄ってたかって覗き込む。
小さなモニターにヘルメット姿のリュウの顔。
リュウ “(無線音声)妙な反応があるんですけど”
見上げるサコミズ。頭上、遥か上空にガンフェニックス。
●ガンフェニックス・コックピット
モニターに山間部の透視画像。
全体に緑色の映像だが、一部に黄色く点滅している箇所がある。
その黄色い部分は、なんだかギザギザな形。
テッペイ “この反応は金属ですね”
リュウ 「(ホバリングさせつつ)金属?!」
マリナ 「(後部座席から)地下、およそ40メートル。隣の……そのまた隣の山までひろがってます」
サコミズ “金属……?”
首相(オフ)「先日判明したばかりの機密情報だ」
●議事堂会議室
首相を山の様に囲んでいる大勢の議員たち。
首 相 「あの土地の地下に莫大な量の金属反応がある」
議員A 「それが何か?」
首 相 「……埋蔵金かもと、報告があった」
議員B 「埋蔵金って、えっ?!まさか……徳川のっ?!」
頷く首相。
どよめく会議室……
議員C 「しかし、それじゃ」
●山間部
ジョージとテッペイ、コノミが、ジョーイチとカッペイ、いちごと一緒に歩いている。
議員C(オフ)「子供たちに見つけられたら所有権は」
妙な洞窟を見つけるジョージ。銃を構え、洞窟の入り口から中を警戒。
首相(オフ)「だから政府要請にしたのだ!我々の要請に従って掘り出したのなら、子供たちの物でも村の物でもない、ましてやGUYSの物にもならん。国家の物になる。財政再建にはもってこいだろう?」
テッペイとコノミは子供たちにここで待てと指示。
うん!と頷く子供たち。
議員D(オフ)「さすがです首相!」
メモリーディスプレイに何か合図して飛び込んでいくGUYSの3人。
じっと待っている子供たち3人……
待っているが……
覗き込むジョーイチ……
覗き込むカッペイといちご……
子供たち、そろりそろりと入っていく。
●ガンフェニックス・コックピット
下界を見下ろしながら操縦のリュウ。
サコミズ “(無線音声)見えるか?”
リュウ 「洞窟は見えました!でも、子供たちが」
サコミズ “(無線音声)どうした?”
リュウ 「(後ろに)見えるか?」
マリナ 「うぅうん、誰も」
サコミズ “(無線音声)うぉ?!”
リュウ 「隊長?どうしましたっ?!」
●旧・駄菓子屋
地響きと木々のざわめき。
地震の揺れに全員つぶれ屋や木につかまっている。
サコミズ 「いや、地震だ!大きくはない」
マリナ “(無線音声)隊長!地上はともかく、洞窟の中は?!”
ミライ 「(あわてて)ボクたちも行きましょう!」
サコミズ 「そうだな」
リュウ “(無線音声)俺たちも合流しますっ!!”
旧駄菓子屋から出て走るミライ、サコミズ、ミサキ、シオリ。
追って走る村松兄妹とシュウ。
●地下・洞窟内
メモリーディスプレイの液晶バックライトを照明にして集まっている6人、地震の様子をうかがっている。
ひそひそ声が洞窟内に響く……
ジョージ 「おさまったな……」
テッペイ 「みんな来ちゃうし」
コノミ 「来ちゃったものは仕方ないよねー♪」
いちご 「ねー♪」
カッペイ 「いちごちゃん、怖くない?」
いちご 「だいじょーぶ」
カッペイ 「……」
ジョーイチ「(何かに気付き)ジョージさん、あそこ、明るいです!(先走る)」
ジョージ 「アミーゴ、一人で急ぐな。何があるかわからな……うおっ?!」
全員が足を踏み入れた先は、世界一と思われるほどに巨大な鍾乳洞!!
光る石たちの幻想的な世界が、広く深く続いている!!
コノミ 「わー♪」
いちご 「きれいー♪」
カッペイ 「いちごちゃん、寒くない?」
いちご 「だいじょーぶ」
カッペイ 「……」
テッペイ 「コノミち」
コノミ 「大丈夫」
テッペイ 「……」
先に進む集団から取り残されるテッペイとカッペイ。不満顔。
ジョージ 「(後方に手を広げて)ストップ!」
コノミ 「また地震?」
口に人差し指を立てるジョージ。
全員口をつぐみ、動きを止めて耳をそばだてる……
何か、金属質な、モーターの様な音がうっすら聞こえてくる……そして、規則正しく、ドコン、ドコン、ドコン、と足音の様な……
ジョージ 「(小声でジョーイチに)みんなを頼む」
ジョーイチ「(小声で)任せて!(後ろへ移動)」
銃を構えなおして先へ進むジョージ。
●小学校・校庭
着陸しているガンフェニックスの下で、GUYSと村民たちが緊急会議中。
シュウの父「(作業服のまま)洞窟なんか前は無かったのぉ」
シュウの母「(心配顔で)だから急に出来たんじゃないの?だから怪しいってこん人たち言ぅとるん違うのん!」
村 長 「埋めてしまえばいいではないか!」
リュウ 「子供たちも一緒にかいっ?!」
村 長 「そんな事は言ぅとらんだろぅ」
ミサキ女史「とにかく六名の命がかかっています。まず、どうやって救出するかを」
駐在さん 「(おろおろと)うちのいちごも中におるんじゃあ」
シオリ先生「駐在さん大丈夫だかラ!GUYSの隊員の方たちが一緒だかラ!」
ジョーイチの父「(元ブラジル人のイケメンがつなぎ姿で来て)本当カ、遭難ッテ」
カッペイの母「(着物姿で来て)宅のカッペイさんが事故に巻き込まれたというのは本当ざますかっ?!」
マリナ 「(ボソッと)母親、まんまじゃん」
サコミズ 「(^^;)」
村松ちゃん「(サコミズの手を引いて)すみません」
サコミズ 「?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ C M ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●校門
村松ちゃんに連れられてくるサコミズ。
シュウとミキが待っている。
シュウ 「隊長!すいませんでした!(深々と頭を下げる)」
サコミズ 「?」
シュウ 「ボクのわがままで、ジョーイチたちが……ジョージさんたちまで」
サコミズ 「(微笑)遭難といっても、連絡が取れないというだけじゃないか。僕はまだ、彼らは無事だと信じてる」
村松ちゃん「ですけど……シュウ君、とにかく謝りたいって……」
サコミズ 「うん。謝るという事は大切な事だね。でももっと大切な事は……(考えて)……そうだな、それを僕たちと一緒に探してみようか」
?となる村松ちゃん。
シュウはじっとサコミズを見上げている。
と、そこへ再び地響き……全員がハッと警戒するが大きくならず。
リュウとミライ、マリナ、ミサキ女史とシオリ先生がやってくる。
ミサキ女史「もしかして、今、揺れました?」
サコミズ 「いえ、揺れたというほどのものでは」
ミサキ女史「(頷いて)村の皆さんが捜索隊を結成しようって」
サコミズ 「そうですか」
シュウ 「ボクも!」
村松ちゃん「僕もお願いします!」
ミ キ 「私も!!」
ミサキ女史「みんな、ありがたいけど地震も気になるし、ここは大人の人たちに」
サコミズ 「(ミサキを制して)いいかみんな。最後まであきらめないで、任務をまっとうするんだ。できるかい?」
子供たち 「はい!」
ミサキ女史「隊長っ?!」
サコミズ 「(ミサキに笑顔を見せてから)リュウ、ミライ、二人はこの子たちを援護しろ。私も同行する……いいな?(微笑)」
リュウ 「よっしゃ(シュウを見て)行くぜ相棒」
シュウ 「(笑顔に)はい!」
ミライ 「(ミキに)必ずみんなを助けようね!」
ミ キ 「(笑顔)うん!!」
マリナ 「隊長、私は」
サコミズ 「ガンフェニックスで待機しててくれ」
マリナ 「やっぱり」
サコミズ、中腰で村松ちゃんの耳元にヒソヒソと……いいか?よし!と背を伸ばす。
サコミズ 「(小声で)いいよ」
村松ちゃん「……GUYS!SALLY GOっ!!」
子供たちとGUYSメンバー「G.I.Gっ!!」
※さぁ!主題歌をかけて下さい!!
※歌詞は
こちらをご覧下さい。
※歌詞一行に
♪マークひとつ分の描写がリンクする様になっています。
イントロ〜
ミサキ女史とシオリ先生が顔を見合わせて、微笑。
一番〜
♪:子供たちと男親や兄弟で組まれた捜索隊が山へ入っていく。
♪:光の国。ウルトラの父と母が見守っている。
♪:洞窟内。機械的な通路に飛び込むジョージ!
謎の偵察ロボットの攻撃を避け、逆に撃ち倒す!
♪:ジョーイチがいちごの手を引いている。
悔しそうなカッペイの手をコノミが笑顔で引いて進む。
♪:山。シュウの父とジョーイチの父が先を争って衝突。
その間を通る村松ちゃん。
シュウもミキの手を取って先へ走る。
♪:高く、どことなく不気味な存在となった山を前に見上げる村松ちゃんたち。
その山が震えだす!!みんなが転ぶ。ミキを倒木から守ろうと引き寄せるシュウ!
♪:地下。大きく揺れている中、来た方向へ走るコノミたち!
いちごの手を引いているのはカッペイ!!
♪:校庭。山から多くの鳥たちが飛び立つのが見える。
異変を目の当たりにして取り乱すシュウの母が、ハンカチを差し出され、ハッと。
ミサキ女史の無敵の笑顔!!
♪:揺れる鍾乳洞内。駆け込んできたシュウたちとジョーイチたちが合流!
総員で脱出!!助け合い、手を取り合い、励ましあってとにかく走る!!
ケータイを開くシュウの父。
♪:光の国。父・母たちの前に立ち、腕を組んで見守っているタロウとレオ。
♪:校庭。電話を受けたシュウの母が歓喜の声を上げる!!
と、山が、いや、山脈そのものが大きく動き、大地から浮いて歩き出す!!
動く山脈上。捜索隊全員を先に走らせ、振り返るミキに笑顔を見せて先に行かせるミライ!
構える!腕にメビウスブレス!!眩い光!!
間奏〜
ミライ 「メビウーーーーーーーーーーースッ!!」
ウルトラマンメビウス登場!!
メビウス 「(上空から降りてきて)セヤーッ!!」
ズズーン!!と動く山脈に全体重をかけて足止め!!
二番〜
♪:動く山脈上。ミキを引いて必死に走るシュウ!火事場の馬鹿力でいちごをおぶって走るカッペイ!
♪:どこかの宇宙空間。見つめているのは初代ウルトラマン、そしてウルトラセブン……
♪:動く山脈上。カッペイが転ぶ!投げ出されたいちごをジョーイチが助け起こす!いちごを託すカッペイ。ジョーイチ、いちごを連れて走る!!
しんがりを勤めていた村松ちゃんとサコミズ隊長が足を挫いたカッペイを支える……
♪:ミキが走りながらも笑い出して叫ぶ!
ふきだし(漫画などでセリフを括っている風船みたいなやつ)の中に朝マっクセット!
シュウも笑って叫ぶ!
ふきだしの中に朝マっクセットを勧めてくれるスタッフのお姉さんたち!!
♪:サコミズ踏ん張るが、カッペイを支えたまま村松ちゃんが転ぶ。立とうとするが挫いた足が痛い!
♪:ジョーイチの父が戻ってきてカッペイを背負って走る!
村松ちゃんはサコミズが支えて共に走る!
♪:動く山脈の先端をどうにか押さえつけているメビウス。
公道まで降りきる一同!カッペイの母が着物の袖をまくって運転する小学校の送迎バスに転げるように飛び込んでいく!
シュウとミキのハイテンションな笑いにつられて笑い出す子供たち!
♪:動く山脈、パワーアップ!つぶれ屋が押し潰されそうに!メビウス押し戻そうと踏ん張る!!
♪:メビウス踏ん張る!渾身で踏ん張る!!辛い!そこへガンフェニックスから疾風怒濤の援護射撃!!
GUYSメンバーたちの笑顔や真剣な表情が等分割でイン。
メビウス、踏ん張ったまま燃え上がり、バーニングブレイブ・モードに!!
♪:光の国。ウルトラマンジャックが、ウルトラマンエースが見守っている……
♪:踏ん張って踏ん張って、もうダメそうなメビウス!つぶれ屋全壊の危機!!
学校まで避難した子供たちの応援!そして村民全員の声援!!
間奏部〜
いよいよ厳しいメビウスが思い切って空へ腕を振る!
光の矢が上空へ!!
宇宙。光速で飛ぶ光はまさしくウルトラサイン!!
光は宇宙の彼方まで……
校庭。もういよいよ我慢の限界のメビウスが見えている。
さすがに笑っていられない子供たち!必死の声援!!
繰り返し部その1〜
♪:悔しい表情のジョーイチ。まだまだ!と信じて応援を続けるシュウ!!
♪:泣き出しているいちご……の頭を優しくなでてくれるのは、見知らぬ外国人の女性……
ポカンとするいちごの涙を指で拭い、子供たちの前に出て、構える!
女性の姿が光り輝く!!
♪:輝く光が上昇して形になったそれはウルトラウーマン・ベス!!
その上空にはエスコート役の様に毅然と浮いている、青い体のウルトラマンヒカリ!
♪:更に上空に輝いているメビウスマーク!無限を示すその輪から飛び出してくるウルトラ戦士たち!(歴代ウルトラマン総動員)
赤と銀のボディに紫や青や水色とかを配したスリートーンカラーなウルトラマンたちもいる!
♪:物凄い数の戦士が地上に降臨!
姿や色の違うすべての戦士たちが、メビウスを援護して動く山脈を押し戻す!!
繰り返し部その2〜
♪:目の前の奇跡に顔を輝かす子供たち!!同様に歓喜する大人たち!!
感極まったシオリ先生に抱きつかれるミサキ女史。最高の笑顔。
♪:戦いの中心に着地したウルトラマンキングが作戦指揮!
セブン系の戦士たちが動く山脈の下に潜って担ぎ上げる!!そのまま飛翔……
動く山脈の腹部があらわに!ギザギザに見えた金属反応は互い違いに配列されたロボット的な足だと判る。
♪:キングを先頭にウルトラマン系の戦士たち、一斉に必殺光線の構え!
発射!!
無数とも思える眩い光線が動く山脈の丸見えな脚部に突き刺さる!
♪:離れたセブン系戦士たちも、七色に輝く必殺光線を一斉に発射!
♪:動く山脈、部分的に大爆発を起こして機能停止。元の位置に墜落する。
上空の戦士全員が一点を見て、サムアップ!
そこにはメビウス。全員を見渡して、腕を伸ばしてサムアップ!!
アウトロ〜
一斉に上空へ消えていくウルトラ戦士たち!!
さーっと去っていく者もいれば、手を振っていく者も。
子供らしき者、貫禄のある者、女も男も外国人もみんなが一緒に去っていく……
※主題歌、終了。
>>>>>>>>>>>>ワ イ プ>>>>>>>>>>>>
●つぶれ屋(夕刻)
に戻ってくる子供たちとGUYSの面々。
見事に無事なつぶれ屋に全員歓喜の笑顔。
ミ キ 「よかった!(シュウに)よかったね!」
笑顔で頷くシュウ。
>>>>>>>>>>>>その場ワイプ>>>>>>>>>>>>
●つぶれ屋(朝)
朝を告げるニワトリの声……
子供たちとGUYSの面々が見守る中、中身をくり抜かれたつぶれ屋にオープンキッチン式の車両がバックで入っていく。そのボディには『マっク』のロゴマーク。
ジョージ 「しかしマっクも太っ腹だな」
マリナ 「慈善事業の一環だって。最初から連絡しとけば良かったね」
リュウ 「マスコミの力ってやつだろ」
隣で新聞を読んでいるミライ。理解できずに悩んでいるふう。
その記事の見出しは……
『政府、山村の地下に侵略者の基地発見』
『GUYSへ要請 壊滅へ導く』
●議事堂会議室
出入口はまたもや若手議員たちとマスコミ関係者による一大攻防戦中!
男女国会議員たちが議長席に大勢詰め掛けている。
隅にはやはり頭を下げたまま動かない政治家。
議員A 「なにが徳川の埋蔵金だっ!!」
議員B 「宇宙人の基地だったじゃないかっ!!GUYSが黙っててくれたから良かったものの!!」
議員C 「国家転覆の危機ったって(政治家を見て)全部あんたの責任だろーが!!」
隅にいる政治家に視線集中!!
議員D 「あんたどーして大統領夫人なんかと、う(削除音)Pi───(解除)なんかっ?!」
議員E 「(首相に)どーすんです首相っ?!」
首 相 「ど、どど、どーするったって……」
議員F 「(政治家に)どーしてくれるんだっ!!えーっ!!」
「なんとかしろなんとか!!」「どーにかしろどーにかっ!!」罵声が飛び交う。
首相と政治家(の、それぞれ明らかに人形と解る物体)が袋叩きにあったり投げ飛ばされたり!!
●つぶれ屋(朝)
リュウ 「で、テッペイ。奴らの正体とかは?」
テッペイ 「かつてミミー星人が作った、アイアンロックスというスクラップメカの……まぁ、亜流とでも言いましょうか」
神妙に読んでいるミライ。目を移す。その下の小見出しには……
『山にマっクを! 事件解決に協力の子供たち、夢叶う』
『マっクチェーン、移動販売車全国山間部へ展開』
テッペイ 「ただ、ユートムとミミー星人の関係がよく解らないんだよなぁ」
ジョージ 「どこまで行っても謎は謎だ。だいたいここにマっクだなんて言い出した理由だって……(つぶれ屋を見る)」
キッチン車が合体完了で簡易店舗が完成する!
「おおーっ!!」と父兄も村民たちも歓声!
そこに出てくる一人の少女。細身で髪をキチッと分けた、ちょっと生意気そうだが、まぁ美人。
シュウ 「マリ!もう大丈夫なの?」
リュウ 「マリ?」
ジョーイチ「いつ退院したんだよ?!」
マ リ 「昨日の夜帰ってきた」
シュウ 「(マリに近付いて)ホラ!(と簡易マっクを見せる)」
マ リ 「なに?やだ、なんでこんなとこにマっクなの?」
シュウ 「え?(固まる)」
このぎこちないシュウの様子にイチ早く反応を見せるミキ。いぶかりの目つき。
ジョーイチ「(めっちゃ不満顔で)なんでって……そりゃマリが」
マ リ 「え?……あっ?!(何か思い出したふう)」
●回想・マリの家の前(夜)
救急車に担ぎこまれるマリのもとにパジャマのまま走ってくるシュウ。
シュウ 「マリっ!!」
マリの父 「シュウ君、ありがとう、病院に着いたら電話入れるってお母さんたちに伝えといて!(と扉を閉じようと)」
シュウ 「マリ!マリ!!」
マ リ 「シュウ君……私さ(苦しみながらも体を起こす)」
仕方なく扉をしばらく開放するマリの父。
マ リ 「私……もうダメかも」
シュウ 「ええっ!!」
マリの父 「馬鹿なこと言うなっ!」
マ リ 「あぁ……一度でいいから、私、オシャレして、街に出て、朝マっクとかしてみたかったな」
シュウ 「マリ……」
バタム!扉が閉まる。
サイレンの音と共に、赤い回転灯が闇に消えてゆく……
●つぶれ屋(今に戻って)
一同唖然……
ジョーイチ「(つまらなさそうにマリに)どうしてシュウにだけそんなこと言ったんだよ」
その態度に敏感に反応し、うらめしそうにジョーイチを見ているいちご。そのいちごを見て視線を落とすカッペイ。
マ リ 「だってあんた来てくれなかったじゃん。てかさ!(突然笑い出して)やだ!ウッヒャッヒャッヒャッ!!あのさ!!私さ、入院したのが街の病院だったのよ!昨日の朝退院したら駅前にマっクあってさ、食べて来ちゃった」
シュウ 「えっ……(モノクロ化)」
リュウ(M)「(ジョージを見て)マリナだ」
ジョージ(M)「(うなずく)あぁ、確かにマリナだ」
GUYS全員の視線が無言でマリナに集中。
マリナ 「(その視線に)な……なによっ?!」
マ リ 「ばっかじゃないの!だからってこんな山ん中にマっク建てちゃって!嘘でしょ?本気?冗談よねコレ!最高!おっかしー!!ウッヒャッヒャッヒャッ!!」
甲高い笑い声を前に笑えないGUYSたち。
マ リ 「あ、でもね!スゴイのよ!街のOLはね、お昼のランチにホテルのレストランに行くんだって!一食2500円とか3000円とかの高級ランチなんだって!私も一度でいいからホテルで高級ランチしてみたいなー!(いいつつ横目でシュウを見る)」
自分をスルーしてシュウを見ているマリの視線に気付くジョーイチ。その目に悔し涙が……
シュウの目にも涙……
シュウ 「うぅ……うわああああああ(大号泣)!!」
ミ キ 「うわああああああああああ(同じく)!!」
ジョーイチ「ちくしょおおおおおおおお(同じく)!!」
いちご 「うぇーーーーーーーーーー(同じく)!!」
カッペイ 「びやああああああああああ(同じく)!!」
村松ちゃん「……(付き合って)わあああああああ!!」
ミサキ女史「ちょっとみんな」
シオリ先生「ウワアアアアアアアアアア(大号泣)!!」
シュウ 「ホテルでランチだってええええ!(GUYSを、リュウを見る)うわあああああああん!!」
リュウ 「おぃ……(後退しつつ)馬鹿なこと考えるなよ」
子供たち、号泣しつつすがりつこうと駆け寄る!
シュウ 「ホテル、どーしたら建ちますかああああああ!」
リュウ 「無理だって!!(逃げ出す)」
ジョージ 「冗談じゃねーよ!(逃げ出す)」
「うわー!!」と逃げ出すGUYSの面々。
逃げ遅れたサコミズが村松ちゃんに、ミサキ女史はやはりシオリ先生に捕まって泣き付かれている。
逃げ回るGUYSの面々。
追い回す子供たち。
その画面の隅に浮かれているトリヤマ村長。手にしている大きなのぼりには“ウルトラ戦士戦闘の碑と世界最大規模の大鍾乳洞村”の文字。
その隣でニヤニヤしながら携帯電話を取り出しているマル村長秘書……に集中ワイプ。
村長秘書 「じゃあ今度はおばさんにでも聞いてみますか(耳にあてる)」
グルッとワイプ窓が動いてミライを捉える。
ミキに捕まって泣かれている。でもなぜか笑ってしまう。
アハハハハ!!と笑っているミライ……
ワイプは閉じないまま、F・O(フェード・アウト)……
主題歌のフルサイズ(ここはカラオケバージョン)がかかって……F・I。
●宇宙、そして、地球
※第一話のサブタイトル部分からずっと見て来られたこの地球に、どうぞ皆さんの空想力で、英雄たちの映像を重ねながらお読み下さい。
真っ青な地球。
勢揃いして見守っている全ウルトラ戦士たちの後姿……
この『メビウス』を取り巻く世界で地球を守ってきたとされる6兄弟たちの他にも、多くのウルトラ戦士たちがいる。
彼らもまた、他の星を、地球と似た星を、いや、次元の違う、僕たちの住む地球とは違う別の地球だって、守ってくれているのかもしれない。
クルッと踵を返し、大勢の列から離れるウルトラマンアグル、飛翔!
追って列から離れるウルトラマンガイア、揃って宇宙空間に消える……
ウルトラマンジャスティスが離れざまにウルトラマンコスモスの肩を叩く。
頷いて列から離れるコスモス。今一度地球を振り返ってから、勢いよく宇宙へ……
くるりと振り返り、胸を張るウルトラマンマックス。列から離れる。
追って離れるウルトラマンゼアス。付いていこうとするウルトラマンナイス。更に付いていこうと動くウルトラマンボーイ。
ウルトラマンゼノンが離れ際にマックスに声をかける。
振り返ったマックスにゼアス、ナイス、ボーイが追突!
ゼアス、やべっ!と頭の先を手で隠して引くが、既に顔を押さえて呻いているマックス。
お手上げなジェスチャーのゼノン、オロオロとマックスを心配しているナイスとボーイの肩を叩いて飛んでいく。
あ、ちょっと、ゼノンさぁーん、と追って消えるナイスとボーイ。
平気だから、大丈夫だからとゼアスから離れるマックス、よく見もしないで動いてウルトラウーマン・ベスの胸に当たる。
ビシャーンと張り手を食らった勢いで飛んでいってしまうマックス!
あわてて追うゼアスも退場。
ベスの元にウルトラマンヒカリが動く。エスコートして離れていくヒカリ。付いていくベスが仲間たちに手を振る。
振り向いたウルトラマン・スコットとウルトラマン・チャックが、更に周囲の仲間に手を振る。
追って離れるウルトラマンジョーニアスとアミア、そしてエレク、ロト。煌びやかな透過光の目を輝かせて飛翔!!
ウルトラマンダイナとウルトラマンティガが揃って動くが、ティガ、隣の緑色の戦士の肩を叩く。
振り返ったのは……ウルトラマンジオ!
ティガとジオ、握手。
ティガとダイナ、カメラに向かって飛翔し、そのまま退場。
ジオ、隣のディアナを連れ添って列を離れながら、ずっと離れた位置の仲間に声を掛ける。
マリンブルーの見慣れないウルトラギャル・マリンが手を振る。
列の端の方でキョロキョロしているウルトラセブン21の肩を叩く者がいる……
驚くセブン21に一方的に握手し、妹のマリンと合流するウルトラマン21。
ジオ、ディアナ、マリン、ウルトラマン21が今までのみんなとは別の方向の宇宙へ消えてゆく……
マリン、去り際に輝くウルトラサインを投げる!が?!
ゐωナょ★
ヵヾωレ£゛3→йёッ!
全員、読めずに首を傾げる。
そんな中からウルトラマンネオスがセブン21を引っ張る様にして離れ、残る全員に手を振って消えていく。
続いて颯爽と飛び出るウルトラマングレート、光に!
追ってウルトラマンパワードも光となって消える!
そしてウルトラマン・ザ・ネクストが飛び立つ……カメラに向かって来つつ輝く!
その姿がネクサスとなり、体色をグレーから赤へ、赤から青へ変えて更に輝き……銀色のノアとなって画面に迫って……退場!
ウルトラマンキングが仰々しくこちらを向き、大きく頷いてからゆっくりと消えてゆく。
ウルトラの父と母が振り向く。父、マントを大きく振り、母と連れ立って消える。
同時に振り返るウルトラマン80とユリアン。
80、レディファーストでユリアンを先に行かせる。
飛び立つユリアン。随行の80……消える。
兄弟揃って振り返ったのはウルトラマンレオとアストラ。
互いに空手の構えを見せ、カメラに向かってジャンプ!……体勢を変えてダブルキック!!のまま退場。
ウルトラマンタロウ、ウルトラマンエース、ウルトラマンジャック、ウルトラセブン、ウルトラマン、そしてゾフィーの後姿が並ぶ。
タロウ、前に出て兄たちにガッツポーズを見せて離れて行く……
エース、兄たちに大きく頷いて地球の向こう側に浮いている月へ……
ジャック、前に出て、セブン、ウルトラマン、ゾフィーと握手。飛び立つ!!
ゾフィー、二人の英雄に握り拳を見せ、颯爽と飛翔!!
そして……
歴史の始まりを飾った英雄ふたり、乾杯のグラスの様に互いの拳を当て、左右に分れて去ってゆく……
画面に残ったのは、いつの間にか夜になっている暗い地球。
音声がかぶる。
ミサキ女史(オフ)「怪獣が出現しました」
サコミズ (オフ)「GUYS!SALLY GO!!」
全 員 (オフ)「G・I・Gっ!!」
ミライ (オフ)「リュウさん!行きます!!」
リュウ (オフ)「おっしゃあ!行け!ミライっ!!」
ジョージ (オフ)「ヘィ、アミーゴ!援護は任せろっ!!」
マリナ (オフ)「頑張ってミライ君!」
コノミ (オフ)「ミライくんしっかり!」
テッペイ (オフ)「みんながついてますよっ!!」
ミライ (オフ)「はいっ!!」
ミライ(オフ)「メビウーーーーーーーーーーーースッ!!」
変身の音!!
暗い日本の、東京の辺りに、キラリと光が回転しつつ輝く!
その輝きは、人々の希望と、子供たちの『未来』を照らすがごとく、輝き続ける!!
音楽終了にあわせて、完了を記す文字。
ウル博版オリジナル作品・ウルトラマンメビウス
おしまい