●医務室
ジョージが目を開くと、そこはフェニックスネスト内の医務室のベッドの上である。
マリナ 「気がついた? ジョージ(心配そうに顔を覗き込む)」
ジョージ 「……マリナ……」
マリナ 「アンタ、丸一日も眠っていたのよ?」
ジョージ 「……(記憶を思い起こし)そうか……俺は、ガンクルセイダーにやられて……」
ジョージ、上体を起こして……ハッと思い至る。
ジョージ 「ガンクルセイダーはっ? メフィラス星人はどうしたっ?」
ジョージの問いかけに、マリナは暗い面持ちで首を横に振る。
マリナ 「あれから、メフィラス星人とガンクルセイダーは姿を消したまんま……何のアプローチもないわ。まるで、私達が困り果てているのを見て、楽しんでいるみたい……」
マリナ、ハァッと溜息をつく。
ジョージ 「ガンブースターは?」
マリナ 「ガンクルセイダーの攻撃が思いのほか、酷かったみたいね……リュウとアライソさんが修理をしているけど……元通りに飛べるようになるまでは、まだ時間がかかるそうよ……ホント、あんな状態でよくフェニックスネストまで帰還できたものだわ」
ジョージ 「そうか……」
マリナ、コップに水をそそぐとジョージに手渡す。
ジョージ 「(コップを受け取り)……俺は、リュウの根性に助けられたんだろうな……もしも、俺が操縦桿を握っていたら、気を失っていたまま海面に叩きつけられていた……」
そう言うと、ジョージは自棄酒をあおるように水をグイッと飲み干す。
マリナ 「それは、私も同じよ……ううん、私達だけじゃない。並みのパイロットだったら、あの状態からの機首の立て直しなんてできなかったと思う……」
マリナとジョージ、暗い表情を浮かべたまま黙り込む。
●格納庫
リュウ、アライソの隣でガンブースターの修理を黙々と行っている。
彼の脳裏には、先日のガンクルセイダーとの戦闘がフラッシュバックされる。
リュウ 「くそ……っ(口唇を噛み締める)」
リュウの頭に、かつての仲間達との充実した思い出がよぎる。
○一年前(回想)
司令室で、食堂で、プールで……どこにいても楽しそうに会話を交わしている旧GUYSのメンバー。
しかし、訓練の時間になると、その表情はガラリと一変する。
リュウも必死に訓練に挑んでいるが……先輩達のテクニックには遠く及ばない。
○格納庫・一年前
リュウ、ガンクルセイダーから降りるなり、ハァッと深い溜息をつく。
リュウ 「まーた、ユタカ先輩にやられちまった……」
ユタカ、リュウの傍に近づいて笑う。
ユタカ 「まだまだだな、リュウ」
マサヤ 「おまえの攻撃は、単調すぎるんだよ」
他の先輩達も、ヘルメットを片手に笑顔で歩み寄ってくる。
マ キ 「リュウの攻撃は、猪突猛進で押しっぱなしなんだもん。たまには、一歩引いてみるって発想をしなくちゃダメよ」
エリカ 「そうそう。(リュウの肩を軽く叩き)もっと頑張らないと、私達を追い抜くどころか、追いつくことすらもできないわ」
エリカの眼差しは、手のかかる弟を見つめるよう。
リュウ 「くっそぉーっ! (負けず嫌いに火がつき)いつか、絶対に先輩達を追い越してやるからなっ!」
トシヒロ 「ま、楽しみにしているよ」
トシヒロ、リュウの頭をトントンと叩く。
●格納庫(現在)
リュウ、過去の楽しかった記憶が思い出されて、修理の手を思わず止めてしまう。
アライソ 「まるで、気持ちが入っちゃいねぇな」
リュウの様子を見て、アライソが静かに言葉をかける。
アライソ 「まぁ、仕方ねぇか。かつての仲間から攻撃されて……さぞ、裏切られた気分だろうな」
リュウ 「……それは、父つぁんも同じだろうが」
アライソ 「…………」
リュウ 「父つぁんも、先輩達にマシンの整備を教えてたわけなんだからな。何も感じちゃいねぇってことはないだろ?」
アライソ 「……まぁな」
リュウの一言に、アライソも手を止める。
リュウ 「なぁ、父つぁん……俺、先輩達に勝てるのかな?」
アライソ 「どうした? 『勝てるかどうか』なんて、らしくもねぇこと言いやがって」
リュウ 「先輩、俺に対して手加減してたんだよ」
○回想・太平洋上
ブリンガー・ファンで海面に叩きつけられそうになっている、ガンブースター。
絶体絶命というところで、ブリンガー・ファンが抑まる。
リュウ 「《M》あのとき、ガンブースターが海面に激突するギリギリのところで、先輩はブリンガー・ファンをやめた。あのまま続けていたら、確実に落とせていたはずなのによ……それだけじゃねぇ……」
※ ※ ※
海中からビームがいきなり飛んでくる。
ビーム、ガンブースターの左翼に命中っ! ガンブースターの態勢、大きく右方向に崩れてしまう。
リュウ 「先輩はワザと、ガンブースターの左翼だけを狙いやがった……先輩の腕だったら、あの一撃でコクピットかエンジンを破壊できてたはずだなんだ……っ」
●格納庫
リュウ 「俺は必死で戦ってたって言うのに、先輩達は余裕をかましてやがったんだよ……っ」
リュウ、悔しそうな表情を浮かべる。
リュウ 「なぁ、父つぁん……アンタなら、先輩たちの操縦をずっと見てきたからわかるだろ? 俺に勝つ見込みはあるか?」
アライソ 「……正直、難しいだろうな。あいつらの操縦技術は、歴代防衛隊の隊員にも引けを取らないほどだ。それに加えて、メテオール技術……今のあいつらだったら、ウルトラマンに頼らずともディノゾールを撃退できるだろう」
リュウ 「…………」
アライソ 「……(煙草を取り出し)勝ったほうが正義、か……」
アライソ、煙草の煙を肺にスゥッと吸い込む。
アライソ 「パスカルだったかな? 『力なき正義は無能である』とか言ってやがった外人は……」
リュウ 「何だよ、急に?」
」
アライソ、フゥッと紫煙を吹かして。
アライソ 「あいつらが言ってたとおり、人間の歴史は侵略の連続だ……そして、その侵略戦争に成功した奴等は、『英雄』として崇拝され、自分の名まえを後世まで残す。その英雄の影で、どれほどの者が泣いて苦しんでいたとしても……」
リュウ 「…………」
アライソ 「反対に、どれほどの大義や正義を抱えて戦ったとしても、敗者は『悪者』以上になることはできねぇ……勝利者の都合の良いように事実が捻じ曲げられ、『悪人』というレッテルを貼られたまま歴史の表舞台から姿を消していく……そう考えると、『正義』ってヤツは曖昧なモンなのかもしれねぇな……」
リュウ 「…………」
●GUYS司令室
ミライ 「テレポーテーション……?」
テッペイ 「そう」
テッペイ、大きく頷きを返す。
司令室には、ミライとテッペイ、サコミズの三人の姿がある。
テッペイ 「メフィラス星人は、その能力を自在に使うことができるんです」
テッペイ、モニターに地球のCG映像を映し出す。
地球のCG映像の周囲には、複数のGUYS監視衛星が表示されている。
テッペイ 「地球の周囲には、GUYSスペーシーの監視衛星が張り巡らされています。この監視体制が、宇宙船や宇宙怪獣、隕石などの接近を見張っているんですが……今回のメフィラス星人の地球侵攻は、どの監視衛星のレーダーも反応していませんでした」
サコミズ 「要するに、メフィラス星人は、瞬間移動をすることで地球の大気圏内にまんまと入り込んだと……?」
テッペイ 「ええ。以前、ファントン星人が同じようにして地球に来ていましたが……」
○回想《ファントンの落し物》
ファントン星人が、紫色の光と共にテッペイ達の前へ姿を現す。
●GUYS司令室
テッペイ 「メフィラス星人のテレポート能力は、ファントン星人のそれを遥かに凌いでいると思います」
モニターに、四十年前に登場したメフィラス星人の静止画像が映し出される。
テッペイ 「四十年前、メフィラス星人は地球へ宇宙船で来訪していた……しかし、その宇宙船は、当時の防衛チーム・科学特捜隊によって完全に破壊されています。それなのに、メフィラス星人は自力で母星への帰還を果たしている……つまり、メフィラス星人は宇宙船がなくとも、遠くの母星へと帰れるほどのテレポート能力を持っているということです」
ミライ 「それじゃあ、どうして宇宙船なんかに……?」
テッペイ 「あくまで推測ですが……おそらく、宇宙船は単なる前線基地のようなものなのでしょう。いや、もしかすると、侵略者であることを敢えて強烈に印象付けるためだったのかも……」
サコミズ 「……どちらにしろ、我々が宇宙船を破壊したとしても、メフィラス星人には痛くも痒くもないわけか」
コノミ、CD=ROMを持って司令室に入ってくる。
コノミ 「隊長、ありました(CD=ROMを見せる)」
コノミ、CD=ROMをセットして、メフィラス星人の映像をモニターに映し出す。
映し出されたものは、メフィラス星人とウルトラマン(初代)の戦いである。
ウルトラマンとメフィラス星人、五分の戦いを繰り広げている。
コノミ 「凄い……」
テッペイ 「ウルトラマンと……まったく互角の勝負だ……」
テッペイとコノミが唖然とする横で、ミライだけは厳しい表情を浮かべている。
ミライ 「《M》違う……一見、互角の戦いだけど……メフィラス星人の方はまだ余力を残しているように見える……」
モニターのメフィラス星人、ウルトラマンに負けを告げたようにして消え去っていく。
コノミ 「この時のメフィラス星人は、ウルトラマンと決着がつかずに引き上げちゃったんですね」
ミライ 「《M》いや、決着がつかなかったんじゃない……決着をつける必要がなかったんだ……あのまま戦い続けていたら、時間切れで兄さんの方が負けていたかもしれない……」
サコミズ 「……(険しい表情を浮かべる)……」
そのとき、司令室に警報が鳴り響く。
コノミとテッペイ、すぐさま自席のコンピューターに向かい合う。
ジョージ 「(飛び込んできて)この警報はなんだっ?」
ミライ 「(ジョージを見て)ジョージさんっ?」
コノミ 「(同じく見て)身体の傷は、もういいんですかっ?」
ジョージ 「俺なら大丈夫だっ! それより、何が起こったんだっ?」
コノミ 「あ、はいっ! 東京丸の内・二十八番街に宇宙人が現れましたっ!」
マリナ 「また、メフィラス星人なのっ?」
コノミ 「いいえ、違いますっ! 別の宇宙人ですっ!」
リュウ 「別の宇宙人……っ?」
一同、怪訝な表情を浮かべる。
コノミ 「いま、モニターに出しますっ!(モニターに映像を転送する)」
モニターに出現したものは……大きなハサミを持つ宇宙人!
ジョージ 「こ、こいつは……っ」
リュウ 「バルタン星人か……っ!」
コノミ 「それだけではありませんっ!」
モニターカメラを横方向にスライドさせると、そこにも別の宇宙人の姿がある!
マリナ 「バルタン星人以外に、宇宙人が二人も……っ?」
テッペイ 「ドキュメントSSSP(スリー・エス・ピー)に記録されているザラブ星人……そして、アウト・オブ・ドキュメントのケムール人……どちらも、地球を侵略に来た宇宙人ですっ!」
ジョージ 「宇宙人の連合軍ってワケかよ……っ」
リュウ 「……(ゴクッと唾を呑み込み)上等だ。やってやろうじゃねぇか……」
リュウの表情、少し緊張しているように見える。
ミライ 「《M》リュウさん……?」
いつもと違うリュウの緊迫した面持ちに、ミライは訝しんだ視線を向ける。
サコミズ 「リュウ、ガンブースターの修理は?」
リュウ 「まだ終わっていません」
サコミズ 「……仕方ない。ガンフェニックスで迎え撃つ。コノミちゃんも現場に向かって、ミクラスで地上から援護してくれ。テッペイは司令室に残り、宇宙人の分析をしてくれないか? 今回の宇宙人の大量出現には、何か裏がありそうそうな気がするんだ」
テッペイ・コノミ「(頷き)わかりました」
サコミズ 「(一同を見回し)メフィラス星人のことも気にかかるが、今は二十八番街の宇宙人に集中する!」
一 同 「(姿勢を正して)GIGっ!」
●丸の内・二十八番街
バルタン星人・ザラブ星人・ケムール人の三体、無言で都市部の中央に突っ立っている。
そこへ、ガンウィンガーとガンローダーが陽光を全身に受けて飛んでくる。
ガンローダーの後部からガンスピーダーが離脱、人気のない場所へと着陸する。
ミライとコノミ、ガンスピーダーから地上へと降り立つ。
コノミ 「(バルタン星人達を見上げて)……全然、動く様子がないですね」
ミライ 「…………(険しい表情で見つめる)」
ミライ達が見つめる前で、ガンウィンガーとガンローダー、宇宙人たちの目前を旋回する。
しかし、宇宙人たちはピクリとも反応を示さない。
●ガンウィンガー・操縦席
リュウ 「(不信感を募らせて)おい、テッペイ……こいつら、みんなホログラムってことはないだろうな?」
テッペイ 「《通信》いえ、それはありません」
●GUYS司令室
司令室のレーダーや熱センサーには、宇宙人の存在が捕らえられている。
テッペイ 「レーダーにも熱センサーにも、三体の姿は確認されています。間違いなく、その場所に宇宙人たちは存在しているんです」
●ガンローダー・操縦席
ガンローダーの操縦席には、ジョージとマリナが座っている。
ジョージ 「(操縦桿を握り締め)じゃあ、どうして、こいつらは動こうとしないんだ?」
テッペイ 「《通信》多分……命令が出ていないからだと思います」
マリナ 「命令? どういうこと?」
●GUYS司令室
テッペイ 「バルタン星人、ザラブ星人、ケムール人……それぞれの身体から、マケット怪獣と同様の分子ミスト反応が確認できるんですよ」
コノミ 「《通信》ミクラス達と同じ? どういうことですか?」
サコミズ 「つまり、彼等は『マケット宇宙人(エイリアン)』ということだ」
●ガンローダー・操縦席
マリナ 「マケット……エイリアン……」
ジョージ 「じゃあ、こいつらを操っているヤツは……」
マリナ 「(ゴクリと唾を呑み込み)メフィラス星人ってこと……?」
メフィラス「《通信》御明察だよ、諸君」
ジョージの言葉に応えるように、通信機からメフィラス星人の声が届く。
●円盤内
円盤内のモニターには、バルタン・ザラブ・ケムールの三体の姿がそれぞれ映し出されている。
その片隅にも、GUYS司令室・GUYS各機の操縦席の様子も映っている。
メフィラス「彼等は、私が作り出した宇宙人軍団だよ。君達が操るマケット怪獣……それと同じ原理で生み出された、私のためだけに動く尖兵達だ……」
●丸の内・二十八番街
地上の二人のメモリーディスプレイにも、メフィラス星人の声が届いている。
メフィラス星人の『マケット怪獣』という言葉に、コノミはミクラスのカプセルを握り締める。
メフィラス「《通信》ただし、君達が使用するマケット怪獣とは違い、私のマケットエイリアンは三十分以上も戦うことができる。君達のマケット怪獣とは格が違うのだよ」
コノミ 「(ムッとして)そんなことないですっ! ミクラスは、絶対に負けませんっ!」
メフィラス「《通信》ふふふ……じゃあ、試してみるがいい(不敵に笑いをこぼす)」
コノミ 「(ムカムカして)隊長、ミクラスを出していいですかっ?」
●GUYS司令室
サコミズ 「(大きく頷き)メテオール解禁っ!」
●丸の内・二十八番街
コノミ 「(カプセルを手に取り)ミクラス、お願いっ!」
コノミ、マケット怪獣・ミクラスを召喚っ!
コノミ 「ミクラスっ! マケットエイリアンなんかやっつけてっ!」
ミクラス、コノミの願いに応えて、三体の宇宙人の一人……ザラブ星人へと突進していく!
その瞬間、ザラブ星人の瞳がテレパシーを受けたように青い光を放つ。
ザラブ星人、ミクラスに立ち向かっていく。
●ガンローダー・操縦席
マリナ 「私達も、ミクラスに負けてなんかいられないわよっ!」
ジョージ 「リュウっ! 俺達も行くぞっ!」
●ガンウィンガー・操縦席
リュウ 「……ああ! (バルタンを睨みつけて)ジョージ、マリナっ! 俺はバルタン星人を引き受けるっ!」
ジョージ 「《通信》OK。それじゃあ、俺達はケムール人を叩くっ!」
●丸の内・二十八番街
ガンウィンガーとガンローダー、それぞれのターゲットに攻撃を開始するっ!
ミライ 「コノミさん! (銃を構えて)僕は地上からリュウさん達を援護しますっ!」
コノミ 「(頷き)わかった。気をつけてね」
ミライ、大きく頷いて援護射撃を行いながら物陰へと駆けだしていく。
物陰に着くなり、ミライは左腕にメビウスブレスを召喚する。
ミライ 「《M》リュウさんは、昔の仲間が敵側に回っていたことに戸惑っているようだった……」
司令室での緊張した面持ちがフラッシュバックされる。
ミライ、上空を旋回するガンウィンガー……リュウを見上げる。
ガンウィンガー、バルタン星人に攻撃を仕掛けているものの……どことなく危なっかしい。
●ガンウィンガー・操縦席
リュウ 「くそっ! このっ! このぉっ!(必死に操縦桿を操る)」
リュウ、仲間に裏切られたショックを払拭しきれておらず、操縦に普段のキレがない。
バルタン星人、その隙をついて攻撃しようとする。
●丸の内・二十八番街
ミライ 「! リュウさん、危ないっ!」
ミライ、急いでメビウスへと変身を遂げる。
大地に降り立つ、ウルトラマンメビウスっ!
メビウス、身体を挺してガンウィンガーを守る。
●ガンウィンガー・操縦席
リュウ 「メビウス……」
リュウ、間一髪で助けられ、呆然としている。
サコミズ 「《通信》リュウっ! バルタン星人はメビウスに任せて、ジョージ達と共にケムール人を倒せっ!」
リュウ 「(ハッとして)GIG……っ!(操縦桿を切る)」
●丸の内・二十八番街
バルタンvsメビウス! ケムールvsGUYSの飛行メカ! ザラブvsミクラス!
二十八番街を舞台に、雑駁とした戦いが繰り広げられる。
メビウスも、GUYSメカも、ミクラスも……それぞれが、マケットエイリアンを次第に追い詰めていく。
●ガンローダー・操縦席
テッペイ 「《通信》ジョージさん。操縦席の左側にある、青いボタンが確認できますか?」
ジョージ 「(チラッと見て)ああ。それがどうした?」
●GUYS司令室
テッペイ 「それは、Xチャンネル光波の発射装置です」
ジョージ 「《通信》Xチャンネル光波……? 何だ、それは?」
テッペイ 「ケムール人が弱点としているものです。それをケムール人の頭部に当てれば、ケムール人は消滅しますっ!」
マリナ 「《通信》一体、いつの間にこんなものを……」
テッペイ 「(ニヤッと笑い)こんな事もあろうかと考えて、グロテスセル戦で整備した時に搭載しておいたんですよ」
●ガンローダー・操縦席
ジョージ 「やってくれるじゃないか、アミーゴっ!(狙いを定める)」
マリナ 「ジョージっ! 外したら承知しないわよっ?」
ジョージ 「俺を誰だと思ってるんだ? エース・ストライカーだぜ?」
ジョージ、Xチャンネル光波を発射するっ!
●丸の内・二十八番街
ガンローダーから発射されたXチャンネル光波、ケムール人の触覚に見事命中!
ケムール人「ウガァァァァァァっ!」
奇声を上げて、その場に倒れ込むケムール人。
その後ろで、ミクラスがザラブ星人を羽交い絞めにしている。
コノミ 「今よ、ミクラスっ! 電流攻撃っ!」
ミクラス、それに応えて電流攻撃っ! 青白い電流がザラブ星人の体内を駆け巡る!
ザラブ 「ウォォォォォォっ!」
ザラブ星人、ケムール人に折り重なるようにして倒れる。
GUYSに敗れた二大マケットエイリアン、光の粒となって消え失せる。
そこが、ミクラスの活動限界時間だったのだろう。ミクラスも勝利の叫びを上げて消失する。
●GUYS司令室
サコミズ 「よし、残りはバルタン星人だけだ……っ」
●丸の内・二十八番街
メビウス 「ジュワっ!」
メビウスの腕から、必殺のメビュームシュートが放たれる。
マケットエイリアン軍団、全滅か?
……と思いきや、バルタン星人の胸がパカッと開き、鏡のようなものが出現する。
●GUYS司令室
テッペイ 「(立ち上がって)いけないっ!」
●丸の内・二十八番街
バルタン星人、胸の鏡でメビュームシュートを反射する!
メビウス 「(直撃・爆発)ウアァァァっ!(吹き飛ぶ)」
メビウス、何とか立ち上がるが……さすがに苦しい。
胸のカラータイマーが鳴り響く。
バルタン 「フォッフォッフォッフォっ……」
バルタン星人、高笑いをして両手のハサミを構える。
コノミ 「メビウス、よけてっ!」
コノミが叫んだ直後、ハサミから紫色の光が放たれる。
メビウス 「(直撃)グアァァァ……っ!」
バルタン星人の光線を浴びたメビウス、動きが鈍りだす。
●ガンローダー・操縦席
マリナ 「メビウスの動きが……っ!」
●丸の内・二十八番街
メビウス、凍りついたように完全に動かなくなる。
●ガンウィンガー・操縦席
リュウ 「(愕然と)メビウス……」
バルタン星人の笑い声が、辺りに響き渡る。
リュウ 「(怒りに我に返って)メビウスーーーーーーーーーーっ!」
■次回予告■
エリカ 「《通信》言うだけでいいんだから。『地球をあげます』ってね♪」
リュウ 「セリザワ隊長……アンタだったら、こういうとき」
テッペイ 「ニューヨーク・ロンドン……世界各地に、宇宙人が!」
マリナ 「メフィラス星人に」
コノミ 「従ったほうが」
テッペイ 「そうすれば」
サコミズ 「いい加減にしろっ!」
ミライ 「リュウさんっ!」
『不滅の正義』
懐かしき男「おまえは、セリザワ隊長から『正義の炎』を受け継いだんじゃないのか?」
ご期待下さい。