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●GW-01A
●GW-02A
●GW-01MO-1
”ユザレの予言”
「当時のあらゆる者は勿論、全てを過去の事実として経験したはずの今の何者も───いや、時を経て記憶が薄れようとしつつある今だからこそ───、この時の地球に起きた事態を適切に表現するには一つの言葉しか有り得ないだろう。そう、まさに『有り得ない』」(元GUTS隊員/現TPC科学研究局副局長ヤズミ・ジュン著「うたかたの地球」より)
西暦2007年。日本山中に落下し【GUTS】によって採集された隕石が、全ての幕開けとなった。
「隕石内から発見された『3000万年前の立体映像記録装置』が映し出した『超古代文明人を名乗る女』が、二匹の『怪獣』の出現と、それを機に始まるという『地球規模の大異変』を『予言』した上で、この異変に対抗するには『ティガの巨人』を『復活させる』必要があると説いたのだ。いったいどれほどの『有り得ない』を並べ立てれば気が済むのか指折り数えたくなるような話だが、正に映像解析の直前にはモンゴル平原で認定第一号怪獣『ゴルザ』が、更に直後にはイースター島で認定第二号怪獣『メルバ』の出現が『確認』され、『予言』が紛れもない『現実』であることが突き付けられた。その時の我々には、疑う時間すら与えられなかったのだ」(同じく「うたかたの地球」より)
”ユザレの予言”と呼ばれるこの事件を幕開けに、地球は未曾有の危機的時代に突入した。何十メートルもの巨体で暴れ回る有害巨大生物「怪獣」や、人類に対し侵略や殲滅目的で危害を加えようとする「敵性知性体」が次々と現れ、地球全土に多大な被害を及ぼしはじめたのだ。
それ以前からも異常な生物災害や異星人らしき存在による干渉の痕跡はあったが、この年から続々と確認されたそれらは対象の大きさ・攻撃性の明らかさ・被害の甚大さに置いて比較にならない物であり、当時の【TPC】や【GUTS】の予測をはるかに越えていた。まして世界は武器の全面放棄を実現した矢先であり、そもそも戦闘組織ではない【GUTS】の装備は検証するまでもなく無力であった。現にゴルザ/メルバ出現時、【GUTS】は唯一の最も武装に近しい装備である信号弾で怪獣を威嚇するも当然効果はなく、GW-01一機がゴルザの攻撃により失われている(パイロットは奇跡的に生還)。当時の現場の驚愕と困惑がどれほどのものであったか、当事者以外には想像もつかない。
この絶望的状況を救ったのが、前述の引用文中でも触れられていた”ティガの巨人”であった。日本東北山中の空中に、次元位相を異とする空間に隠される形で保存されていた三体の巨人石像のうち一体が、ゴルザとメルバの二体の怪獣を前に「復活」したのだ*10。”巨人”は何故か二体の怪獣に対して明らかに撃退を目的とした行動をとりはじめ、実際にその場でメルバを、巨体を利用した体術と謎の光線技を駆使して撃破した。後に【ウルトラマンティガ】*11とよばれるこの巨人個体は、その後もありとあらゆる怪獣及び敵性知性体に対して撃退行動を取り続けたばかりか、明らかに人類を守ろうとしているとしか思えない行動をも繰り返した*12。
突然始まったあまりにも壮絶な試練に立ち向かう術を持たなかった人類にとって、【ウルトラマン】は正に救世主のような存在ではあったが、【ウルトラマン】自体が人類にとっては未知の存在でしかなく、その行動原理を確認する方法が存在しない以上、その力が怪獣や異星人相手ではなく人類に対して行使される可能性も当然懸念された*13。また仮に【ウルトラマン】が人類の見方だと仮定しても、当時一個体しか確認されていない【ウルトラマン】が、世界中で発生する大規模超常災害の全てを解決してくれる保証など当然無かった*14。
これらの現状を鑑みた上で、一連の事件に【GUTS】が深く関わっていたこと、元々怪現象捜査を目的とした組織であったこと、【TPC】本部ダイブハンガー所属故にガッツウイングを始めとする多様な装備及び研究中の最新技術を常時利用可能な環境にあったことなどから、ゴルザ/メルバ出現直後より【GUTS】は事実上の「驚異的存在撃退組織」として生まれ変わることを強いられた。人類の未来を守るためには唯一にして最良の選択ではあったが、それは同時に人類が長い時間をかけてやっと放棄した「武器」を、再び手に取らねばならないと言う苦渋の選択でもあった。
”驚異”を払うための力
「人間同士が争うための武器の撤廃」を実現した直後に強いられた、「怪獣や異星人と戦うための【GUTS】の武装化」というジレンマに、【TPC】及び【GUTS】がその思想面においてどれほど苦悩したかを別にして、実作業面において【GUTS】の対応は素早かった。
特に【GUTS】の主力装備だったGW-01/02の改装に関しては、伝説的な逸話がある。
・ゴルザ/メルバ出現の翌日朝に【GUTS】対怪獣武装化が決定
・即刻【TPC】開発局(旧カシムラ・チーム)と【GUTS】隊員が協力して武装化プランを検討。開発局主任カシムラ博士が「巨大怪獣に対抗可能な強力武装搭載を前提とするなら、強度や安全性などを考慮すると、本来的には武装に合わせた新設計の機体が望ましい」と提案するも、【GUTS】隊員でありFW-1/2開発オブザーバーでもあったホリイ・マサミが「時間は切迫しており、隊員や整備員の熟練期間を考えても、充分な性能の新型機の短期開発・実用化は困難。パイロットも開発・整備員もその特性を知り尽くしているGW-01/02を武装型に改装する方が堅実である」と主張。過去のプランを転用した改造プランを提示する*15
・ホリイ案を元にしたGW-01/02の改装が即時認可される
・即刻改装に着手、既存のGW-01/02の図面を「その場で書き換えながら」仕様を決定
・その日の午後には改装が終了
・同日日本久良々島に出現した怪獣「ガクマ」撃退のため、改装したばかりのGW-01及び02が運用テストと実戦を兼ねる形で出撃
・出撃二機のうちGW-01改一機は戦闘中に墜落(後日回収)したが、GW-02改一機は追加された武装を使用してガクマ一体を撃破、改装プランの実用性を証明
・同日夕刻、任務を終えたGW-02改がダイブハンガーに帰還
何とこれらが全て「たった一日」の間に行われたのである。FW-1/2時代からの膨大なデータの蓄積や、実行されなかったいくつかの試作プランの転用など有利な要素も多々あったとはいえ、やはり驚異的というほかはない。この一日の出来事は「予言翌日の奇跡」と呼ばれ、今も技術者達の間で語り草になっている。
この改装が「奇跡」と呼ばれるもう一つの理由に、追加された武装の多くが光学兵器だったことがある。自由電子レーザーや荷電粒子照射装置は既にかなり研究が進んではいたが、巨大怪獣にダメージを与えられるほど高出力な「レーザー砲」や「ビーム砲」が、しかも実用装備として突然完成したことはやはり驚異的である。【TPC】の科学力の高さが伺える話とも言えるが、ある意味不自然ともいえる開発期間から、非武装組織を標榜していた【TPC】が以前から兵器としてのレーザーやビームを秘密裏に研究していたのではないかとの疑惑を生む根拠ともなった。
改装部分はその後微調整が繰り返され、完成度が高められたGW-01/02は改装前と区別するために機種番号末尾に「A」を加えて登録され、【GUTS】極東本部は勿論、後日世界各地に設立された【GUTS】各地域支部の主力防衛装備として量産・配備されていった。【ウルトラマン】の力を度々借りながらも、地球を襲う巨大な暴力に全力で立ち向かったGW-01A/02Aは文字通り「世界を護る翼」として人々に愛された。しかし「非武装世界の組織」としてスタートした【GUTS】の武装化は、人類を護るためとはいえ一部の平和主義者の反発を受ける一方で、【TPC】が一度は実現した世界非武装化・【UNDF】解体を再疑問視する潮流をも呼び寄せた。
●GW-01A ガッツウイング1号(改)
開翼時全長:14m 大気圏内最高速度:マッハ5.5 乗員:1〜2名
武装を施されたGW-01は新たにGW-01Aと類別された*16。その速度と自在な機動力を生かして、攻撃対象を翻弄しつつダメージを与えるのが主な任務であった。
外観はGW-01と全く同じであり、本体も基本的には戦闘用の操作器類や戦闘飛行支援プログラムなどが追加されてる程度に留まっている*17。
GW-01Aの武装は機首ユニットに集中している。FW-1の時代から使用されている汎用ユニットの四つの砲門を利用して武装が搭載された形だが、高い換装性を駆使して出撃時毎に多種多様な装備を頻繁に入れ替えている上に、外観上は全て同様の汎用ユニットに見えるため、一見しての装備判別は難しく体系化することも困難だ。ここでは判別している中で主に使用された武装を解説する。
・高出力自由電子レーザー砲「ニードル」
四門のうちどの砲門にも装備可能。攻撃対象の表皮強度や組織構造にあまり左右されずに比較的高い破壊力・貫通力を発揮でき弾速も早いレーザー砲は、使用頻度が高く事実上の主武装となった。ほとんどの場合四門のうち二門はこのニードルに当てられ、四門全てをニードルにした出撃例も多かった。
・12.7mm機関銃
動きの遅い怪獣や比較的表皮の弱い対象には従来型の兵器も有効である場合があり、【UNDF】時代以前の火器が「復活」することとなった。こちらも四門のどこにでも装備可能。ニードルと12.7mm機関砲を併せた装備は、攻撃対象の表皮や防御の特性が不明な時点での出撃に重宝された。
・120mmマルチディスチャージャー
四門中外側二門に装備される、FW-1以来のロケット弾発射装置。従来の弾頭に加え、ナパーム弾などの戦闘用弾種が追加されている。
・30mm機関砲
四門中外側二門にのみ装備可能な大型機関砲。表皮は強いが組織自体は特殊でない対象や、光波や宇宙線防御に特化した故に物理攻撃防御力が低い対象などに使用された。弾種は徹甲弾や散弾、爆裂弾など多種が準備されている。弾丸口径の大きさ故に装弾数が少ないのが難点で、内側二門の装備スペースの全てを30mm弾装弾スペースに当てたユニットも存在したらしい。
・液体窒素発射装置
内側二門の装備スペースに液体窒素発射装置を搭載し、機首先端から液体窒素を発射する。発射された液体窒素は空中で気化しないように分子フィールドで一時的にコーティングされ、対象に命中するとフィールドが解けて液体窒素が効果を発揮するようになっている。この分子フィールドコーティングが作用中に緑色の光を放つため、「液体窒素ビーム」「冷凍ビーム」などと呼ばれた。
機体下部バルジのオプションスペースにも、多彩な武装や装備が懸架された。二連ミサイル「HEAT」、60mm重機関砲ポッド(こちらも徹甲弾や炸薬弾など弾種多数)、高周波ジェネレーター、透視走査用スーパーウェーブ照射装置などがある。
既に【GUTS】に配備済みのGW-01は全てGW-01Aに改装され、その後は2007年から2010年の間に事実上の「量産型対怪獣戦闘機」として100機以上のGW-01Aが生産、極東本部を始め世界各地に設立された【GUTS】各支部に順次配備されていった。中でも特に多くの怪獣や侵略者に対し勇猛果敢に立ち向かっていった【GUTS】極東本部所属の鮮やかなイエローの機体は、地球人類の命と心を支える護りのシンボルとなったと言っても過言ではないだろう*18。戦闘の中で失われた機体も少なくなかったが、その後も既存機改良と改良機の新規生産が続けられ、既に次世代機への世代交代を終えて前線を引退した今も、一部のTPC関連組織で現役運用されている。
●GW-02A ガッツウイング2号(改)
開翼時全長:29m 最高速度:マッハ4.0 乗員:1〜4名
本体をほぼそのままに機首ユニットを利用して武装を施したGW-01に比べ、GW-02の武装化はある種全く別の機体と言えるほど大胆な改修を伴った。
特筆すべきはFW-2〜旧GW-02でのコンテナ部に当たるボディの展開機構と、それにより発射が可能になる大出力荷電粒子砲「デキサス・ビームカノン」である。あまりにも強大な怪獣に対抗するためには最大限に強力な武装の搭載が不可欠であり、その搭載には大型でパワーのあるGW-02が適していることは自明の理ではあったが、当時実現可能な最大強力武装として選択した荷電粒子砲の構造に問題があった。中心部のビーム発生装置が生成した荷電粒子エネルギーを、上下もしくは左右で挟む形で配置した粒子加速誘導器を用いて発射するのだが、当時は発生器も加速器もそのサイズが巨大にならざるを得ず、そのような物を剥き出しで搭載すれば著しく飛行性能が低下するのは明らかだった。対怪獣戦闘という前代未聞の運用でどんな機動が求められるか想像も出来ない状況において、機体外形の変化が飛行特性を大きく変えてパイロットの負担を増やすことも避けたかった。
この問題を解決したのが、レールギアによる展開式ボディである。ボディを閉じた状態で現場へ飛行し、現場空中でボディを左右に展開。開いたボディの奥にはビーム発生装置が姿を現し、展開した左右のボディは粒子エネルギー加速誘導器「ハイパーレールガン」として機能、攻撃対象に向かって収束・偏向された荷電粒子を発射する。この変形構造が当時最大威力のビーム砲搭載を可能にした。ペーパープランで終わったFW-OBで提案されたコンテナ部展開構造の機構設計が、この運用に最適であるとして転用されたことが、短時間による改造を可能にした理由の一つである。デキサス・ビームカノンは運用試験を兼ねた初出撃においてガクマ一体を一撃で撃破し、その威力とボディ展開構造の有用性を証明した。
デキサスカノンばかりが目立つが、それ以外にも大きな機体を生かして多数の武装が搭載され、まるで空中要塞とでも言うべき代物となっている。機首先端にはニードルよりも破壊力の高い二門の超光子レーザー「スパル・カノン」、そのスパル砲口より少し外縁寄りの左右にはニードル二門の発射口がある。
展開式ボディの左右外縁部は、GW-02時のオプションブロック構造を利用してレーザージェネレーターユニットが搭載されており、デキサスカノンを除く全ての光学兵器へのエネルギーを一手に供給している。前述の機首スパル砲及びニードル計二門に加え、ジェネレーターユニット自身にもニードル発射口があるため、標準装備だけで六門のレーザー砲とデキサスカノンの計七門の光学兵器を搭載している。なおこのボディ側面のオプションブロックは当然従来の装備も搭載可能だが、レーザージェネレーターユニットと引き換えになるため、攻撃力が著しく失われるという欠点があった*19。
更に主翼下部にも追加装備が懸架可能で、60mm機関砲ポッドや液体窒素発射装置などが取り付けられた。
機体下部サブコンテナは特殊捜査/戦闘車両「シャーロック」や「デ・ラ・ム」の搭載に利用された。通常は緊急陸上活動用二輪車「スタッグ」01・02の二台を標準搭載している。またサブコンテナ下面前方のオプション懸架装置は、地底掘削探査車両「ピーパー」の懸架にも使用されている。
GW-01同様【GUTS】に既に配備されていたGW-02はGW-02Aへと改装され、更に生産された02A型三十数機が世界各地の【TPC】支部防衛隊に配備された。次世代機に最前線を明け渡した後は、各地域支部の補助任務や、2014年以降に【TPC】航空司令部として機能を再開したダイブハンガーの防衛機として任についたが、現在は全ての機体が退役している。
●GW-01MO-1 ”スノーホワイト”
全長:20m 大気圏内最高速度:マッハ8.5 乗員:1〜2名
「マキシマ・オーバードライブ」実験機の二号機だが、初号実験機を0号機としてカウントする形式のため、二つ目のこの機体のナンバーが「1」となっている。システム的にはほぼ完成の域に達していたマキシマ・ジェネレーターの最終追証試験のために用意された。
最終航行試験は2008年、【GUTS】全面協力のもとに優秀なガッツウイングパイロットの操縦にて行われ、0号機実験時の懸案だった、大気圏内飛行及び単機による大気圏離脱を成功させた上で宇宙空間での航行試験に入った。初回航行はシステムの暴走により中断されたが、その後の試験で性能が確認され、マキシマ・システムの実力を証明した*20。
マキシマ試験機としての役目を終えた本機は同年、マキシマ・オーバードライブを応用して更なる出力と速度を目指す「ニューマキシマ・ドライブ」の実験機に転用され、これも【GUTS】の全面協力の下に数回の航行試験が行われた。この時得られた「ニューマキシマ・ドライブ」のデータは、後の「ネオ・マキシマ・エンジン」開発のための重要な基礎となった。
機体本体はGW-01A仕様。初期はGW-01MO-0同様機首ユニットに観測装置を搭載しているため武装は施されていなかったが、2010年に”ガタノゾーア決戦”の先兵として出現した高速飛翔怪獣「ゾイガー」迎撃のために、マキシマ・エネルギーを利用して強化されたレーザー兵器「ハイパーニードル」を機首に装備して実戦に投入されている。ただしこのハイパーニードルは急造兵器であったためか、発射装置自体に掛かる過負荷のため射撃回数は五回が限度であった。
*10 三体の巨人のうち二体は石像状態のまま破壊されている
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*11 命名:GUTS隊員(当時)マドカ・ダイゴ
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*12 【ウルトラマン】が「人類を導く最も純粋で崇高な光」と言われる所以であるが、【ウルトラマン】がなぜ人類を守るような行動をしたのか、そもそも【ウルトラマン】と呼ばれる巨人は何なのか。後の”もう一人の巨人”をも含めれば、明らかになっている関連情報だけでも例え何千項あっても書ききることは不可能であろう。同時に未だ隠されている情報や、推測を含めて全く見当のつかない謎も絶望的なほど残されており、どんなに研究を重ねても、その真の姿は永遠に人類には理解不可能なのではないかとさえ思えてならない。近年になって「ルルイエ事変」を始めとした当時の【TPC】極秘資料の一部が公開されつつあるが、虚実を問わず伝え聞く情報の全てを総合しても、彼らについて何かが「明らか」になるとは到底思えないというのが正直なところである。この時代を語るときに決して除外することの出来ない特筆すべき存在であるが、この記事の趣旨からは外れるため、ここではその詳細を割愛する
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*13 後の状況分析からその可能性は極めて低いと判断されたが、それが人類全ての共通見解になるには当然時間を要した。また【ウルトラマンティガ】とは別の巨人個体が人類に危害を加えた例も事実として存在する。2009年、とある科学者によって日本九州地方の地下で発見され「復活」した巨人の石像が熊本市街を破壊、その後【ウルトラマンティガ】によって撃退されている。「イーヴィルティガ事変」と呼ばれるこの事件は、後の警務局による「人造ウルトラマン計画」の発端となった。なおこの事件の「犯人」と巨人復活手段の詳細については、公開するには危険すぎるとの理由で未だ秘匿されている
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*14 実際に怪獣や宇宙人が【ウルトラマン】を介さずに撃退された例が多数記録されている事実は見落とされがちである
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*15 別名「おニューの機体/あきまへんて」問答
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*16 もっとも【GUTS】現場では2号ともどももっぱら通称の「1号/2号」で呼ばれていたようだ
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*17 「留まっている」とは言うが、これまで無かった本格戦闘用の火器管制システム及び操作のためのインターフェイスの追加は、機体搭載コンピュータに要求される機能は勿論、パイロットのコクピット内印象及び操作性を大きく変化させる。機体形状に余り影響しない部分だけに度々改良を重ねることも容易であり、こういったいわゆるアビオニクス系統のブラッシュアップによって、一見同じに見える機体が全く違う機体と言っていいほどの変化を遂げることは、UNDF以前の航空機の例においても珍しいことではない。次々現れる怪獣や敵性知性体に対応するため飽くなき改良を加え続けたGW-01Aは、「GW-01より進化した」と言うより、「"A"が付いた瞬間に”進化し続ける機体”に生まれ変わった」と言った方が正確かも知れない
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*18 余談だが、【GUTS】極東本部は墜落機数も多かったがパイロットの死亡例が一件も無く、更に墜落時周辺被害の少なさと墜落機体の回収率の高さが群を抜いており、一縷の皮肉と大きな親しみを込めて「墜落のプロフェッショナル」と呼ばれた
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*19 怪獣という「常識はずれの重量物」を牽引するため、補助ブースターユニットとアルチハンドの併用による「怪獣移送」が試みられた記録がある。当初「死骸」と認識されていた怪獣「シーリザー」の移送のため、レーザージェネレーターユニットを外し補助ブースターユニット&アルチハンド装備での移送作戦が実行された。怪獣クラスの重量物移送そのものには出力が充分なことが確認されたが、ブースターユニットの使用は各種レーザー兵器のみならず、胴体と主翼の僅かな隙間にブースターが挟まれボディ展開=デキサス砲使用も不能と完全な「丸腰」状態であり、牽引飛行中に仮死状態から覚醒し暴れ出したシーリザーに対応する術が無かった。以後、怪獣死骸移送任務などでの「死亡確認」は極めて慎重に行われるようになった
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*20 ということになっているが、問題は初回飛行の直後に現れた敵性機械人形群「ゴブニュ」撃退のために、「完成したマキシマ・ジェネレーター」を搭載した宇宙母艦アートデッセイ号が出撃していることである。更にアートデッセイ号が既にマキシマ・エネルギーを利用した強力な武装を多数装備済みであったこともあり、後に物議を醸し出した。これが俗に言う「アートデッセイ疑惑」であるが、アートデッセイ号開発計画責任者であったヨシオカ・テツジ、及び開発主任であったヤオ・ナバンともども何も語らぬまま鬼籍に入った現在、真実は未だ闇の中のままだ
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